ハワイの魂を食卓へ!本場のポイ作り方をハワイ通が徹底解説
アロハ!「ポイ」と検索して、この記事にたどり着いたあなた。きっと、ハワイのあの忘れられない味を、もう一度体験したいと願っているのですね。
初めてポイを目の前にした時のこと、今でも鮮明に覚えています。灰色の、ちょっと不思議な見た目のペースト。「え、これが食べ物…?」と恐る恐る口に運んだ瞬間、予想を裏切る奥深い味わいと、ねっとりとした優しい食感に、すっかり心を奪われてしまいました。
あれは、ただの「食べ物」というより、ハワイの雄大な自然や、人々の温かい心が溶け込んだような、まさに「魂の味」。
「あの感動を、日本の自宅でも再現できたら…」そんなあなたの想いに応えるため、今回はハワイの伝統的な味、ポイの作り方をどこよりも詳しく、そして愛情を込めてお伝えします。この記事を読み終える頃には、あなたもポイ作りの楽しさと奥深さに、きっと夢中になっているはずですよ!
ハワイの心そのもの。そもそも「ポイ」って何?
ハワイの旅で忘れられない味といえば、私は迷わず「ポイ」を挙げます。多くの人がパンケーキやガーリックシュリンプを思い浮かべるかもしれませんが、ポイこそがハワイの食文化の根幹をなす、特別な存在なんです。

ポイの原料は、タロイモ。ハワイ語では「カロ」と呼ばれます。ハワイの創世神話では、カロは人間の兄として生まれたとされ、ハワイアンにとっては神聖で、家族同然の大切な存在。地元の友人が「ポイは僕らのソウル(魂)なんだ」と熱く語ってくれたのも、そうした文化的な背景があるからなんですね。
このタロイモを蒸して、石のすり鉢(ポイ・パウンダー)で丁寧にすり潰し、水を加えて練り上げたものがポイです。その歴史は古く、古代ハワイアンの時代から主食として親しまれてきました。
ポイの魅力は、その味わいが時間と共に変化していくこと。作りたては「フレッシュ・ポイ」と呼ばれ、ほんのりとした自然な甘みが特徴です。それが一日、二日と経つにつれて乳酸発酵が進み、ヨーグルトのような爽やかな酸味が出てきます。これが「サワー・ポイ」。この酸味こそが、濃厚なハワイ料理との相性を抜群にする秘訣なんです。
以前、ハワイ島のヒロにある24時間営業の有名店「Ken's House of Pancakes」で食べたポイは、まさに絶妙なサワー・ポイでした。パンケーキ屋さんなのに、ロコたちがこぞって注文するポイ。その酸味と甘みの完璧なバランスは、今でも忘れられない味です。
ポイは単なる食べ物ではなく、ハワイの歴史と文化、そしてアロハスピリットが詰まった宝物。さあ、その魅力を知ったところで、いよいよ自宅でポイ作りに挑戦してみましょう!

本場ハワイの味に挑戦!ポイ作りに必要な材料と道具
さあ、ここからはキッチンがあなたのハワイになります! 本場の味を再現するための、冒険の準備を始めましょう。まずは、欠かせない材料と道具から。
主役は、なんと言ってもタロイモです。ハワイ産のものが手に入れば最高ですが、日本ではなかなか難しいですよね。でも、ご安心を。沖縄で栽培されている「田芋(ターンム)」や、スーパーで手に入る里芋(特に、ねっとり系の赤芽芋などがおすすめ)でも、十分美味しく作れますよ。
私が日本で初めてポイ作りに挑戦した時は、近所の八百屋さんで買った里芋を使いました。ハワイのタロとは少し風味が違いますが、それでも手作りしたポイの美味しさは格別でした!
そして、タロイモを調理するための蒸し器。なければ圧力鍋や、耐熱皿に入れてラップをして電子レンジで加熱してもOKです。蒸し上がったタロイモの、ほっくりと甘い香りがキッチンに広がると、それだけでハワイの風景が目に浮かぶようです。
一つ、とても大事な注意点があります。生のタロイモや里芋には、シュウ酸カルシウムという成分が含まれていて、素手で触ると肌がかゆくなることがあるんです。皮をむく際は、必ずゴム手袋などを着用してくださいね。加熱すれば、この成分は分解されるので安心です。

タロイモをペースト状にするには、フードプロセッサーがあると本当に便利です。なければ、すり鉢とすりこぎ、あるいはマッシャーでも大丈夫。昔ながらの製法に思いを馳せながら、自分の手でじっくり潰していくのも、また一興ですよ。
材料と道具が揃ったら、いよいよポイ作りの本番です! ワクワクしてきましたね!
意外と簡単!ポイの作り方:3つのステップ
「ハワイ ポイ 作り方」と調べると、なんだか難しそうに見えるかもしれませんが、心配いりません。基本は「蒸して、潰して、混ぜる」だけ。私がハワイの友人に教わった、シンプルで美味しい作り方をご紹介します。
ステップ1:タロイモをじっくり蒸す
まずはタロイモの皮を(手袋をして!)厚めにむき、適当な大きさにカットします。それを蒸し器に入れ、竹串がスッと通るくらい柔らかくなるまで、じっくりと火を通しましょう。時間の目安は30〜40分ほど。
友人は「茹でると水っぽくなりがちだから、蒸すのが一番タロイモの旨みが凝縮されるんだ」と教えてくれました。蒸すことで、タロイモ本来の甘みが最大限に引き出されます。

ステップ2:愛情を込めて潰す
蒸しあがった熱々のタロイモを、フードプロセッサーやマッシャーで丁寧に潰していきます。この時、まだ水分は加えないでください。まずはタロイモだけで、できるだけ滑らかになるように潰すのがポイントです。
もしフードプロセッサーを使うなら、回しすぎると粘りが出すぎてしまうので、様子を見ながら断続的にスイッチを入れるのがコツ。すり鉢なら、愛情を込めてゴリゴリと。このひと手間が、口当たりを格段に良くしてくれます。
ステップ3:水を加えて理想の固さに
滑らかになったタロイモに、少しずつ水を加えていきます。一気に入れるとダマになったり、緩くなりすぎたりするので、大さじ1杯ずつ加えては混ぜ、加えては混ぜ…を繰り返してください。
ハワイでは、指ですくって食べることから、指の本数で固さを表現します。「1フィンガーポイ(固め)」から「3フィンガーポイ(緩め)」まで。あなたが食べやすいと思う、「マイ・ベスト・ポイ」の固さを見つけてくださいね。
最後に、味見をしながらほんの少しだけ塩を加えます。これは味付けというより、タロイモの甘みを引き立てるための魔法の一振り。これで、基本のフレッシュ・ポイの完成です!

ワンランク上の味へ!ポイをさらにおいしくする秘訣
基本のポイが作れるようになったら、次はプロの領域へ。ほんの少しのコツで、あなたのポイは驚くほど美味しくなりますよ。
秘訣その1:究極の滑らかさを求めて「裏ごし」
友人が「これだけでレストランの味になるよ!」と教えてくれたのが、タロイモを潰した後に「裏ごし」する工程。少し手間はかかりますが、ザルやシノワを使って木べらで押し出すように濾すことで、繊維が取り除かれ、驚くほどシルキーで滑らかな舌触りになります。この感動は、ぜひ一度体験してほしいです!
秘訣その2:自分好みの酸味を育てる「発酵」
作ったポイをすぐに食べずに、常温(涼しい場所)に半日〜1日ほど置いてみてください。すると、乳酸発酵が進んで爽やかな酸味が出てきます。これが「サワー・ポイ」。

酸味の加減は、置く時間や温度によって変わります。自分好みの酸味になったら、すぐに冷蔵庫へ。この「ポイを育てる」感覚こそが、ポイ作りの最大の醍醐味かもしれません。酸味が出たポイは、カルアピッグのような脂の多い肉料理との相性が最高なんです。
秘訣その3:正しい保存で美味しさキープ
手作りポイは、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存し、3〜4日を目安に食べきりましょう。発酵は冷蔵庫の中でもゆっくり進みます。冷凍保存も可能で、1食分ずつラップに包んでおけば1ヶ月ほど持ちます。食べるときは自然解凍がおすすめです。
ポイの可能性は無限大!絶品アレンジレシピ
そのまま食べても美味しいポイですが、アレンジ次第でその魅力は無限に広がります。ハワイのロコたちに愛される、とっておきの食べ方をご紹介しますね。
定番は「おかずと一緒に」

何と言っても、ハワイ料理との組み合わせは鉄板です。トマトと玉ねぎ、サーモンを和えた「ロミロミサーモン」の塩気と、ポイの優しい甘さは最高のカップル。豚肉をじっくり蒸し焼きにした「カルアピッグ」の濃厚な旨みを、酸味のあるサワー・ポイがさっぱりと受け止めてくれます。これぞ、おうちで楽しむ本格ルアウ(ハワイの宴)ですね!
朝食やおやつに「ポイ・パンケーキ&ポイ・ボウル」
パンケーキの生地にポイを混ぜ込むと、驚くほどモチモチで、ほんのり紫色の美しいパンケーキが焼きあがります。メープルシロップやココナッツクリームをかければ、ハワイのカフェにいる気分!
また、アサイーボウルのように、ポイを器に盛って、グラノーラやバナナ、ベリー、チアシードなどをトッピングする「ポイ・ボウル」もヘルシーで美味しいですよ。見た目も華やかで、朝から元気が出ること間違いなしです。
ひんやり美味しい「ポイ・シェイク」

ポイ、バナナ、パイナップル、そしてココナッツミルクをミキサーにかければ、トロピカルなポイ・シェイクの完成! ポイの自然なとろみが、クリーミーで満足感のある一杯にしてくれます。暑い日にぴったりの、ヘルシーなデザートです。
ハワイで本場の味を!ポイが美味しいおすすめレストラン
自分で作るポイも最高ですが、やはり本場の味も体験したいですよね。もしハワイに行く機会があれば、ぜひ立ち寄ってほしいお店をいくつかご紹介します。
Helena's Hawaiian Food(ヘレナズ・ハワイアン・フード)
オアフ島にある、ローカルに絶大な人気を誇る名店。ここのポイは、しっかりとした酸味が特徴のサワー・ポイ。初めて食べた時はその酸味に驚きましたが、カルアピッグやピピカウラ(干し肉)と一緒に食べると、その理由がわかります。まさに「これぞ本物!」と唸る味。行列は必至ですが、並んで食べる価値は絶対にあります。
Ono Seafood(オノ・シーフード)

アヒポキ(マグロのポケ)の専門店として有名ですが、サイドメニューのポイも隠れた逸品。新鮮なポキの塩気と、フレッシュで甘みのあるポイの組み合わせは、一度食べたら病みつきになります。ワイキキから少し歩きますが、最高のポキ&ポイ体験が待っていますよ。
Alan Wong's Honolulu(アラン・ウォンズ・ホノルル)※閉店しましたが、伝説として
残念ながら閉店してしまいましたが、ハワイ・リージョナル・キュイジーヌの巨匠、アラン・ウォン氏のレストランは、ポイを高級料理の域にまで高めました。ポイを使ったパンや、洗練されたソースなど、その独創性はポイの新たな可能性を示してくれました。彼のスピリットは、今も多くのシェフに受け継がれています。
これでもう迷わない!ポイ作りに関するQ&A
さあ、ポイ作りに挑戦する前に、あなたの「?」をスッキリ解決しておきましょう!
- Q. ポイって、体に良いの?
- A. もちろんです! ポイは非常に消化が良く、アレルギーも出にくいため、ハワイでは赤ちゃんの離乳食としても食べられています。食物繊維が豊富で、プロバイオティクス(善玉菌)も含まれているので、お腹の調子を整えるのにもぴったり。低脂肪で栄養価も高い、素晴らしいスーパーフードなんですよ。
- Q. タロイモを触ると手がかゆくなるのはなぜ? どうすればいい?
- A. 生のタロイモに含まれる「シュウ酸カルシウム」という針状の結晶が、皮膚を刺激するためです。これを防ぐには、調理前にゴム手袋を着用するのが一番確実です。もし素手で触ってかゆくなってしまったら、石鹸でよく洗った後、お酢やレモン汁を少しつけると和らぐことがあります。加熱すれば無害になるので、食べる分には全く問題ありません。
- Q. 紫色のポイと白っぽいポイ、何が違うの?
- A. これは、原料となるタロイモの品種の違いです。紫色のものは、風味が豊かで濃厚な味わいになる傾向があります。一方、白っぽいものは、よりあっさりとしていて、マイルドな味わいです。どちらが良いというわけではなく、好みによります。色々なタロイモで試して、お気に入りの品種を見つけるのも楽しいですよ。
まとめ:さあ、あなたもポイ作りでハワイの心に触れる旅へ!
ここまで、ハワイのポイ作りの旅にお付き合いいただき、ありがとうございました! タロイモを蒸し、潰し、水を加えて練り上げる…。その工程は、単なる料理を超えて、ハワイの文化や自然との繋がりを感じられる、まるで儀式のような時間です。

初めてポイを作った時、私はまるで粘土遊びをする子供のように夢中になりました。最初は「こんなに手間がかかるんだ!」と驚きましたが、次第にその奥深さに魅了されていきました。自分の手で、あのハワイの味を生み出せた時の感動は、忘れられません。
もちろん、最初はうまくいかないこともあるでしょう。タロイモの選び方ひとつで味は変わりますし、発酵させすぎて酸っぱくなってしまうこともあるかもしれません。でも、それこそが手作りの面白さ。失敗さえも、あなただけのオリジナルポイが完成するまでの素敵なスパイスです。
ぜひ、この記事を参考に、あなただけのポイ作りに挑戦してみてください。そして、自分で作ったポイを、大切な人と一緒に味わってみてください。そこにはきっと、ハワイの温かい風が吹き、笑顔が溢れるはずです。
あなたの食卓が、アロハスピリットで満たされることを心から願っています。Mahalo!